映画「風立ちぬ」を見た感想
心の底から感動した。素晴らしい作品だった。はじめに行っておくとこの映画は退屈です。特に今までのジブリ作品と比べると明らかに退屈な映画だった。激しい戦闘シーンはない。ディズニー映画やアクション映画みたいにわかりやすい起承転結はない。わかりやすい悪い奴が出てきて最後に仲間になったりとかもしない。だけど、すごく良かった。
なぜか。決して娯楽作品という感じではないので退屈に感じてしまいがちだけど、でもそれがなんでかっていうとそれは人生を描いた作品だから。人間の人生なんてほとんどくっそつまらないシーンで構成されている。そんなの当たり前である。特に夢に向かって勉強したり、繰り返し精密な設計をしたり、だけどそういうのってほとんど退屈で苦痛なことをしないといけないので、つらいことばっかりだ。だけどもそれ以上に、そういうのを耐えれてしまうぐらいに理想とかロマンが強い男、そういう男が主役のアニメーション。
この映画はまじで賛否両論な感じがする。この映画を否定している人はおそらく普通にファンタジーな娯楽を目的に見に行った人だと思う。そうだとしたらそれはがっかりすると思う。当たり前だ。決しておすすめできない。
この作品は芸術である、しかし俺は「おまえは芸術をわかってないんだ」とか批判したい訳じゃなくて、芸術ってのはたぶん作品と同じ価値観を持つ人が見ないと何も感じられないと思う。それがなんでかって言うと芸術ってのは同じようなことを経験した人でないと意味が理解できない性質があるのだと思う。
意味ってのは「あーおれもこういう経験したことある」みたいなのを視聴者自身が思い出して、自分自身の過去の体験について感動してしまうのだと思う。そういうことが言いたい。俺は俺自身の持つ過去の体験を引っ張りだされてしまって感動をしたんだと思う。だから俺にとってこの作品は素晴らしい映画だったし、すごくいい映画でした。